校舎内鬼ごっこ
「ありがとう…翔」





学校に着いた私達は、私達のクラス「2-6」に足を踏み入れた。

遅刻時間ギリギリに着いただけあって、クラスメイトはほぼ全員いて、ガヤガヤと教室内は賑やかだった。



「沙紀ーーー!!おっはよ〜!」


そう言って勢いよく私に抱きついてきたのは、私の親友、日菜子 (ヒナコ) 。

抱きつかれた反動で思わず「うっ!」と言ってしまうと、日菜子は「あっごめん」と言いながら体を離した。



「どうしたの?今日遅かったね」

そう言って首を傾げ、不思議そうに尋ねてくる日菜子は、女の私から見てもとても可愛らしい。


「うん、ちょっと寝坊しちゃってね」

「えー!?あのしっかり者の沙紀が?ちょっと大丈夫ー?」

その日菜子の言葉にアハハと返しながら、自分の鞄を机の上に置き、座った。

日菜子も私の席の前にしゃがみ込み、両肘を机の上に起き、そのまま上目遣いで見上げてくる。
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