校舎内鬼ごっこ
少し猫っ毛の栗色の髪の毛が寝癖なのか、いつもより大きくはねているのを見て、思わず「プッ」と吹き出してしまう。

それを見てムッとした顔をし、「何だよ?」という翔に、髪の毛をゲラゲラ笑いながら指すと「あっ!!」と大きな声を出して、両手で髪を隠し、恥ずかしいのか耳を赤くさせた。



「もういいから出てけよっ!」

「だって……ふふっそんなすごい寝癖…見たことないっ」


ゲラゲラ笑い続ける私を見て、さらにムッとする翔だったが、急にニヤリと不敵な笑みを浮かべた。


「おいおい…いつまでもここにいていいのか?それとも、俺の着替える姿、見てぇの?」

「えっ?!」



その予想外の言葉に、ビクッと体が固まってしまうと、その私の姿を見てさらに面白くなったのか、ますます顔をニヤニヤさせた。

そんなからかわれた悔しさから、つい「バカっ!」と叫んでしまい、すぐさま部屋を出て扉を閉めると、中からゲラゲラとした笑い声が聞こえてきて、ますます私はイライラした。
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