極甘ウエディング~ようこそ俺の花嫁さん~
玄関へと向かった慶太さんがリビングに再び現れると、そこにはスーツに身を包んだ男性と女性、二人が共に入ってきた。
私を見るなり足を止め、「失礼いたします」と深々と頭を下げる。
訳がわからない私は慌てて腰を上げ、同じように深く頭を下げて挨拶をした。
「エンゲージリングを見せに来てもらったんだ」
「えっ! エンゲージ、リング……」
サラッと出てきた慶太さんの言葉に驚愕の眼差しを向けていると、やって来た二人は丁寧に名乗りながら名刺を差し出す。
受け取って目を落としたそこには、海外の一流ブランド名が記載されていた。
「お持ちいただいたもの、全て見せてもらってもいいですか? その中から彼女に選んでもらおうかと」
「かしこまりました。もし、お気に召すものがありませんでしたら、またお時間をいただければお持ちいたしますので」