極甘ウエディング~ようこそ俺の花嫁さん~
うわっ……素敵なエンゲージリング……。
見せられたリングは、指が綺麗に見える曲線を描き、主役の大粒のダイヤはハート型で、サイズ違いのダイヤがその周囲を並んだ豪華でデザイン性のあるものだった。
並んでいたリングに比べ、一際存在感を放っていて、思わず惹きつけられるように見入っしまう。
男性の販売員は「海外セレブにもすでに人気が出てまして」と説明しながら、つい最近結婚をした有名モデルがこのリングを購入されたと自慢気に話してくれた。
物凄く素敵だと思いながら見つめつつも、まさかそれを選べるわけがないと、心の中で「いやいや、とんでもない!」とおののく。
持ち合わせた知識の中で、並ぶリングで一番値段が張らないものを…….と、慎重に控え目に「では、そちらを……」とシンプルでベーシックなデザインのリングを指差した。
「こちらですね。では、ぜひお試しに――」
「いや、今見せてもらってたものを、いいですか」