極甘ウエディング~ようこそ俺の花嫁さん~
「俺が訪れた時、のどかは結婚をする気はないと言っていた。それなのに、結婚すると返事をくれた。……無理をしているんじゃないのか?」
無理…….。
掛けられた言葉を反芻しながら、自分自身を見つめ直す。
生涯、結婚はしないと思っていたのは、結婚をするということが嫌だとか、自分から拒絶しているからではない。
私は、つまらない女。
そう思ってきたからだ。
いつか掛けられた言葉の呪縛が解かれず、今も尚、呪いは続いている。
「違うんです……私と一緒になっても、後悔されると、思うから、怖いんです。今の私には……仕事しかないから」
「そんなことない、と言ったところで、説得力はなさそうだな」
「え……?」
「顔にそう書いてある」
触れていた手を上から包むように握って、慶太さんは私側の口角を微かに上げる。
話も聞かず、無責任なことを言わないその優しさに胸がホッと安堵していた。