極甘ウエディング~ようこそ俺の花嫁さん~
だけど、アットホームなうちの式場と、最高級な式場の数々を持ち、名を馳せるPrimary Stageとでは、間違いなく様々なことが違うのは考えなくてもわかる。
家族のようにスタッフが仲良くやってきているうちの式場は、良くも悪くも緩い。
でも、Primary Stageにはそんな空気は一切ないのだと思われる。
プランナー同士も皆ライバルで、お客様を獲得し、誰よりも最高の挙式を挙げて自分の功績を残す。
そんなピリピリした空気が漂っているのだろう。
約束の時間少し前に、十階ほどある社ビルのエントランスを入る。
ウエディングを請け負う企業というだけあって、天井の高い一階スペースはPrimary Stageらしい白く明るい空間だった。
エントランス正面には、ウエディングをイメージした婚礼衣装に身を包んだ二体のマネキンが出迎えてくれる。
季節感を出したり、テーマを変えたりなどして、衣装やディスプレーを飾っているのだろう。