極甘ウエディング~ようこそ俺の花嫁さん~
「今日、いただいたの。急がせないから、私の気持ちが固まったら書いてほしい、って」
澄子叔母さんは置かれた紙に視線を送りながら、引いた椅子へと腰を下ろす。
そして、真っ直ぐ私へと視線を寄こした。
「園咲さんとは……どうなの?」
いつもハキハキと話す澄子叔母さんの声とは違う、控え目な調子の声音。
私が慶太さんと一緒になって、うちの式場をこのまま続けていけるようにとしたことに、少なからず責任のようなものを感じているに違いない。
「うん……私には、勿体ないくらいの人だよ」
求められて結婚をするけれど、自分にその役割が務まるのだろうかと不安がある。
表向きの妻だとしても、荷が重すぎる。
いや、“表向き”の妻だからこそ、荷が重いのだ。