極甘ウエディング~ようこそ俺の花嫁さん~
「あんな話から、こんな風になってしまったけど……園咲さんはとてもいい方よ」
そう言われて澄子叔母さんの顔を見つめると、叔母さんは湯のみにお茶を注ぎながら頬に笑みを浮かべた。
「あんな大きな会社を背負っているのに、穏やかで、物腰も柔らかでね。いいお坊ちゃんだと思ってたけど、立派になられて……」
そういえば、慶太さんのお父様にお会いした時に、澄子叔母さんは元気かと訊かれた。
澄子叔母さんも慶太さんのことを“お坊ちゃん”と言うくらいだし、古くからの知り合いに違いない。
「ねぇ、慶太さんやお父様とは、昔から知り合いだったの?」
「ええ、そうね……同じ業界だし、顔見知りではあったわ」
「そう……」
「のどかをお嫁に欲しいとお願いに来た時は驚いたけど……でも、何度も何度も足を運んでくださってね。それはもう、熱心に」