極甘ウエディング~ようこそ俺の花嫁さん~
「のどかが可愛いからに決まってるでしょ!」
「えっ? いや、それは一番可能性的には限りなくゼロに近いでしょ」
「何言ってるのよ。私はあなたをどこに出しても恥ずかしくないわよ。自慢の娘なんだから」
「それに……」と澄子叔母さんは続ける。
「令嬢じゃない、なんて言うけど、私も一応ここの経営者よ?」
「あ……そっか。ごめん」
そんな指摘につい謝ると、澄子叔母さんはふふふっと笑ってみせる。
「まぁ、小さい会社だけどね。だから、のどかだって一応令嬢よ?」
「そうかもしれないけど……」
どこか腑に落ちないような反応を見せる私に、澄子叔母さんは普段通りの調子で明るく笑ってみせる。
上手いことはぐらかされてしまったような空気に呑み込まれ、それ以上の話に発展させることはできなかった。