極甘ウエディング~ようこそ俺の花嫁さん~
じっと私の顔を見つめていた長谷川さんの視線が、急に宙を彷徨うように揺らめきだす。
そして足元へと落とされると、一点を見つめるようにとどまった。
「なので、もし、私に力になれそうなことがあれば言ってください。サポートくらいはできると思いますから」
私の今ある気持ち、意思を伝えると、視線を落としていた長谷川さんがバッと顔を上げた。
目が合って、その言葉に偽りがないという意味を込めてにこりと笑ってみせる。
すると、いきなり長谷川さんの無の表情がくしゃりと歪んだ。
「私、本当は……ふっ、不安で、不安で……」
「えっ、ちょっ――」
こともあろうに、長谷川さんの目からは大粒の涙が溢れ出す。
急な展開にオロオロしかけながら、ジャケットのポケットから慌ててハンカチを出して彼女の手に握らせた。