極甘ウエディング~ようこそ俺の花嫁さん~
「え、うそ……もしかして、えぇ?!」
「あ、あのね、これには色々と事情があってというか、なんと言うか……」
「社長が結婚するって噂は聞いてたけど、まさかのどちゃんが相手だったなんて……」
慶太さんがお見合いをしていた話だろうか?
社員にまで話が広まっているなんて、お義母様は結構大々的に結婚相手を探していたのかもしれない。
考えてみれば、その話も詳しくは知らないことなのだ。
「私は、お見合いとかではなくて……」
そこまで言いかけて、政略結婚みたなものだとは言いづらいことに気が付いた。
ややこしいことを言うなら、お見合いということにしておけばよかったなんて後悔が生まれる。
「えっ、じゃあ、恋愛結婚?!」
「いや、そうとも違って……私の叔母と園咲社長が知り合いで、それで、なんかそういう話になって、それでなんだけど……」
余計分かりづらい話になってしまったかと思ったけれど、桃ちゃんはそこを追求してくることもなく「紹介みたいな感じか」と処理してくれる。
それよりも結婚するということへの興味が先行しているらしく、「で?」と続きを急かした。
「やっぱり広告塔になるの?」