極甘ウエディング~ようこそ俺の花嫁さん~
押し寄せるように進む現実に流されて、籍を入れようとしている相手のことなのに、何も知らないことに気が付いた。
恋愛結婚でも、お見合い結婚でもない、微妙な、なんとも言えない結婚の形。
お互いのことを知らないまま、このまま夫婦という関係になっていいのだろうか……。
「えー! 何かそれ、いい! 新鮮!」
「え……し、新鮮?!」
「だって、お互いのことまだあんまり知らないなんて、ちょっと付き合い始めのカップルみたいなんだもん」
付き合い始めの……カップル?!
「知り尽くして結婚するのは普通だけど、これから色々相手を知っていくって、何かまだまだドキドキできるじゃん?」
そんな考えもしなったことを言われ、急に意識をしたようにドキドキとしてきてしまう。
それが顔に現れていたのか、桃ちゃんはクスクス笑って「可愛い」なんて冷やかしのようなことを呟いた。