極甘ウエディング~ようこそ俺の花嫁さん~
「まっ、まぁ、そんな感じだから、私よりも桃ちゃんの方が慶太さんのこと知ってると思うよ……」
「え、それは会社でのってこと?」
「うん。逆に聞いちゃうけど、どんな感じなのかな?」
質問を質問で返されたような状態にもかかわらず、桃ちゃんは「うーん」と唸りながら考える。
そしてすぐに「一言で言えば……」と口を開いた。
「紳士で上品な人、かな。第一印象からそれは崩れてないかも」
「会社でもやっぱり、そうなんだ……」
「社員にも常に丁寧な話し方だしね。怒鳴ったりとか、怒ってるとことかも見たことない。穏やかで、心にゆとりがあるんだな〜って感じかな」
今のところ、私にもその印象は強い。
自然と身に付いて出る上品な所作は、やろうとして演じているのではないと、接した人間なら感じ取れる。