極甘ウエディング~ようこそ俺の花嫁さん~
「あの完璧な容姿に、あの立ち振る舞いでしょ? 女子社員の憧れっていうのは言うまでもなく……あー、でも、オーラが凄すぎて、誰も近寄れる感じじゃないから安心して!」
「それは、私も同じかも……別世界の人っていうか、一緒にいても緊張しちゃうし」
「えっ、のどちゃんもそうなの?」
コクコクと頷いて同意をアピールする。
私の顔が真剣だったからか、桃ちゃんは吹き出すようにして笑い始めた。
「えー、何それ、本当に? 結婚するのに、そういうもの?」
「そういうものだよ。結婚だって、未だによくわかってないし……」
「ちょっと、そんなすごいエンゲージもらっておいて、そんなこと言ってたら社長泣くよ〜?」
ころころと笑いながら、桃ちゃんは二杯目のロイヤルミルクティーが入るカップを両手に包み込む。
確かに、桃ちゃんの言う通りだと思う自分もいる。
そろそろちゃんと自覚して、せめて表向きだけでも婚約者で妻になるのだと、堂々としてなくちゃならないのだと思う。