極甘ウエディング~ようこそ俺の花嫁さん~
二人きりの婚前旅行
キャリーケースに旅行用のボストンバッグを載せ、到着したタワーマンションのエントランスを一人抜ける。
コンシェルジュカウンターにはいつもの二人がいて、入ってきた私に「お帰りなさいませ」と挨拶をしてくれた。
会釈を返し、ガラガラと荷物を引きながらエレベーターへと向かっていく。
慶太さんから預かっていたカードキーを、スマホの手帳型ケースから取り出した。
新居のインテリアが整ったから、必要なものがあれば運び出してほしいと慶太さんから連絡があった。
持ち出すものが多ければ人を手配すると言われたけれど、一人で持って行ける量だからと遠慮をした。
もちろん、それなら迎えに行くとも言われた。
だけど、それも大丈夫だとお断りした。
慶太さんは、無条件に私を甘やかしすぎていると思う。
何かと気に掛けすぎるし、心配しすぎる。
このままいけば、自分がダメな人間になってしまいそうだ。