極甘ウエディング~ようこそ俺の花嫁さん~


「おはようございます。本日はおめでとうございます」


半年ほど日本で式の打ち合わせをしてきた二人は、今日は今までにない幸福感をまとって輝いた笑顔を見せている。

私と現地で顔を合わせたことに、更に今日という日を実感したようだった。


「あー、柏さんの顔見たら、なんかいよいよなんだなって緊張してきちゃいました!」


私と同じ歳だという二十七歳の新婦、松田様は、ネイリストをされていて、喋りも上手く人当たりのいい女性だ。

小柄だが華やかな雰囲気をいつも漂わせていて、緩くカールした長い髪に、眉上に揃えた前髪が目を引く。
指先はいつもきれいなネイルアートが施されていて、プランニングに訪れる際にはいつも彼女のネイルアートを見せてもらうのが楽しみの一つだった。

今日は一生に一度の大切な挙式というのもあり、純白のウエディングドレスに映えるホワイトベースのキラキラとしたネイルアートに指先が輝いていた。


「そうですよね。私もドキドキしてきました。素敵なチャペルですし、本当に楽しみですよね」

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