極甘ウエディング~ようこそ俺の花嫁さん~
誰が見ても明らかに、歓迎されていない空気が漂っていた。
今日の顔合わせだって、出向いた先に私がいたことに、“何故?”とでも言いたげな表情を見せていた。
澄子叔母さんがこう言うのも無理ない。
押し切るような形で慶太さんと結婚すれば、私はお義母様にきっと邪険に扱われることになるだろう。
そうならないために、少しでもお義母様にお近付きになれたらと思って今日を迎えたけど、全く取りつく島もなかった。
「うちの式場のことをまだ気にしてるなら、それはもういいから。私は、のどかが苦労するような結婚ならしてほしく――」
「違うの、叔母さん……今は、私……」
そこまで言ったタイミングで、部屋の中へ上がってくる物音が聞こえてきて、言いかけた言葉を呑み込んでいた。
『失礼します』などと聞こえないため、慶太さんが戻ってきたのだろうと察する。
「とにかく、大丈夫だから」と話を終わらせるように言った時、予想通り慶太さんが部屋へと入ってきた。