極甘ウエディング~ようこそ俺の花嫁さん~
出汁を取ったお鍋に、シメジとネギ、あげを投入する。
予熱を終えたオーブンで焼き始めた鮭のホイル焼きを外から覗いていると、背後に慶太さんの気配を感じた。
あの後、タクシーに乗った澄子叔母さんを現地で見送り、慶太さんの車で料亭を後にした。
次に二人で過ごす時間ができたなら、ご飯を作りたいと思っていた。
帰りの車内でそう申し出ると、慶太さんは喜んで賛成してくれ、スーパーへと立ち寄ってくれた。
「急に夕飯作るなんて言っちゃいましたけど……お腹空いてますか?」
「うん、空いてるよ」
包み込むように背後から両手を回し、慶太さんは私を抱き締める。
「そうですか、それなら、いいんですけど……食事に行った日にご飯作りたいって、タイミング悪かったかなって」
「そんなことないよ。昼は、大して食べたという感じでもなかったから」