極甘ウエディング~ようこそ俺の花嫁さん~


「お湯を注ぐだけのカップ麺だとしても、俺は喜ぶよ?」

「えっ、なんですかそれ!」

「要するに、のどかがお湯を注いだことに価値があるってこと」


なんでこんなことをサラッと言ってしまうのだろうといつも思う。

嬉しいけど、物凄く恥ずかしくなるし、毎回どう反応したらいいのか困ってしまう。

だから「それこそ大げさですから!」なんて可愛くない言い方で流すので精一杯。

だけど、そんな私の誤魔化しも全てお見通しらしい慶太さんは、私を目にふわりと微笑んだ。


テーブルセッテングを終え向かい合って席に着く。

改めて並んだ料理を一つづつ見つめた慶太さんは、「どれからいただくかな……」と声を弾ませる。


「どうぞ、どれからでも」

「じゃ、いただきます」


ちゃんと食卓っぽくなるか心配だったけど、品数も程よくいい感じにテーブルを飾れた。

あとは口に合うかどうかだけど、きっといい物を食べてきているだろう慶太さんは舌が肥えてるはずだから不安しかない。

だけど……。

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