極甘ウエディング~ようこそ俺の花嫁さん~
「……美味い」
私の心配をよそに、好感触な一言目。
慶太さんは箸を止めて私へと顔を向ける。
その目がキラキラしていて、不意にどきりとしてしまった。
「本当ですか? お口に合いますか?」
「うん、美味いよ」
返事もそこそこ、慶太さんは食べることに集中してしまう。
口にした一品づつ感想を述べてくれて、本当に美味しそうに味わいながら箸を進めていく。
思い上がりかもしれないけれど、今まで何度か食を共にした中で、一番楽しんで食事をしてくれているように私の目には映っていた。
自分の作ったご飯をこんな風に食べてくれることにジーンと胸が熱くなる。
「なんか、いいね、こういうの」
「え……?」
「手作りのご飯を、作ってくれた人と一緒に食べられるってこと」
慶太さんが何気なく口にした言葉に箸が止まる。
返す言葉を探しつつじっと正面の慶太さんを見つめていると、その視線に慶太さんは微笑を浮かべた。
「子どもの頃から、家庭の食卓っていうのには恵まれなかったから……憧れもあってね」
「そう、でしたか……」