極甘ウエディング~ようこそ俺の花嫁さん~
「……余計なこと、考えられなくなった?」
どうやら、私がお義母様のことを考えてモヤモヤしていることを、慶太さんは全てお見通しのようだった。
「はい……」
気恥ずかしくなりながら頷く私を、慶太さんはそっと抱き寄せる。
なだめるように背中をぽんぽんとされ、髪もふわふわと撫でられた。
「のどかは、何も心配しなくていい。俺と、一緒になることだけ考えてて」
澄子叔母さんの式場を残してもらうために、身を売ったような結婚話だった。
そこに特別な感情は必要なくて、全て表向きの飾りのようなもの。
それでいいと思っていたし、そういうものだろうと自己完結させていたはずだった。
だけど、今はあの時の私と明らかに違う。
明確にいつからなのかはわからない。
好きだと言われると嬉しいし、求められると愛してほしいと思う。
慶太さんの存在が自分の中で大きくなり、特別になっていること。
何より、私自身が彼のそばにいたいと切に願い始めていた。