極甘ウエディング~ようこそ俺の花嫁さん~


「え……?」


突如切り出された話に、時間を止められたように動けなくなっていた。

動悸と共に瞬きを繰り返す。

明らかに動揺を見せた私に対して、悠太さんはくすりと意味深に笑った。


「あの、それは、どういう……」

「面識ないあなたに、兄さんが突然結婚を申し込む理由……大変失礼なことを承知で言いますが、あなたの叔母様の会社を買収することなんて、うちには大したメリットにもならないことです」


どこかでずっと引っかかっていた。

なぜ、慶太さんが私に結婚を申し込んだのか。

ブログを見ていて惹かれた、なんて言っても、そもそもどうして私のプランナーブログなんて見ていたのだろうか。

同じ業界の人間が綴るブログだから?

でも、そんなのこの世にいくらだってある。

悠太さんの言う通り、澄子叔母さんの、うちの式場を買収したところで、この業界最大手であるPrimary Stageに大きな利益があるとは思えない。

じゃあ、どうして……?

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