極甘ウエディング~ようこそ俺の花嫁さん~
「何か……知っているんですか?」
慶太さんとはここにくるまで、疑問は何度も湧き起こった。
どうして私なのか。
その疑問にぶち当たるたび、慶太さんは私を好きだからと繰り返した。
だけど、本当は私の知らない何かがあって、この結婚は成り立とうとしているの……?
「どうしてあなたに、兄さんが結婚を迫ったのか……知りたいですか?」
鼓動が音を立てるのを全身で感じながら、じっと悠太さんの顔を凝視する。
私の真剣な眼差しを受けても悠太さんに動じる様子はなく、フッと笑って目を伏せる。
「でも、それを知ったら……あなたは結婚をしたくなくなると思います」
扉の前で立ち尽くす私へと一歩ずつ近付いてくる悠太さんは、意味深な微笑を浮かべている。
近付く距離に身動き一つ取れずにいると、迫った悠太さんの手が表情を固めた私の頬にそっと触れた。
「兄さんはやめて……俺にしませんか?」