極甘ウエディング~ようこそ俺の花嫁さん~
ハッとして見上げた悠太さんは、小首を傾げて私をまっすぐ見つめていた。
触られていることを拒否するように咄嗟に後ずさる。
でも、代わりに今度はその手が逃げる私の腕を掴んでいた。
「あのっ、離してください!」
強く掴まれた手を振り払おうとしている時、背後の扉が勢いよく開き、背中からふわりと包み込まれた。
私を掴んだ悠太さんの手を引き剥がし、そのまま庇うように正面から抱き締められる。
いつも胸を弾ませる、大好きになってしまった香りに包まれていた。
「悠太……何を考えているか知らないが、のどかは俺の妻になる人だ。気安く近付くのは許さない」
突然現れた慶太さんに、悠太さんは然程驚いた様子を見せなかった。
悪びれない様子は、兄への甘えなのかもしれない。
「兄さん……昔から、俺が欲しがるものは全部譲ってくれたじゃない? だから、彼女も譲ってもらえるかなって」