極甘ウエディング~ようこそ俺の花嫁さん~


不敵な笑みを浮かべて、常識では考えられないことを口にした悠太さんに、慶太さんが発する空気が一瞬にして変わったのを感じ取った。

腕の中から見上げたその先にあった鋭く冷え切った視線に、私の方がぞくりと背筋に悪寒が走る。


「子どものおもちゃと一緒にするな。のどかは誰にも譲らない」


慶太さんの声とは思えない、今まで聞いたことのない冷徹な声色だった。

私の肩を抱いてドアへと向かせると、「わかったら、金輪際、彼女に近付くな」と言い残しドアを開ける。

そのまま部屋を出ると脇目も振らずエレベーターへと向かっていった。

別人のような慶太さんを見てしまい、声が掛けられなくなってしまう。

もしかしたら、私にも怒っているかもしれない。

何をやってたんだって、言われてしまうかもしれない。

手を繋がれたままエレベーターに乗り込むと、慶太さんは「ごめん」と優しい力で腕を引いた。

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