極甘ウエディング~ようこそ俺の花嫁さん~
「そう言ってもらえて、嬉しいです。でも……本当に、慶太さんは私と結婚していいんですか?」
「どうしたの、急にそんなこと」
「悠太さんが……」
その名を口にすると、明らかに慶太さんの表情が曇ったのを目撃した。
一瞬泳いだ目を私へと向け、取り繕うようににこりと微笑む。
笑って誤魔化されてしまわぬように、じっと慶太さんの目を見つめた。
「私と結婚しなくちゃいけない理由があるとか、それを知ったら、きっと結婚したくなくなるとか、言われました。何か、私の知らない何かが……あるんですよね?」
真剣な眼差しを向けたまま、「教えてくださ い」とお願いする。
慶太さんは合わせた視線をふっとドレスへと移し、静かに口を開いた。
「前に、のどかに隠すことなんて一つもないって言った……でも、結果的に嘘をつく形になってしまったこと、先に謝らせてほしい」