極甘ウエディング~ようこそ俺の花嫁さん~


「前に……言ってくれたじゃないですか……これまで感じてきた寂しさも、全部埋めたい、って……」


あの時は一体なんのことだろうと、聞き返そうと思うくらいだった。

だけど、今なら慶太さんがそう言った意味がわかる。

両親を亡くして、家族で過ごす思い出を得られなかった私の寂しさを察し、自分とこれから歩んでいく人生ではそんな思いはさせない……そんな、慶太さんの優しさから出た言葉だったのだろう。


「でも、のどか……勘違いしないでほしい」

「……?」


抱き締めていた腕を急に解いて、慶太さんは私の顔を覗き込むように見つめる。

そのいつになく真剣な表情に、吸い込まれるように見入ってしまった。


「のどかとの結婚は、償いとか、同情で望んでいるんじゃない。のどかが好きで、俺が一緒になりたいと望んだことだから」


胸がぎゅっと締め付けられ、鼻の付け根がツンとする。

自然と目尻から涙が流れ落ちていくと、慶太さんはその一粒づつを丁寧に指で拭っていってくれた。


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