極甘ウエディング~ようこそ俺の花嫁さん~
訝しげな視線を送られていたことに、見惚れてしまっていた自分にハッとした。
当たり前だ。
いきなり近付いてきたと思ったら、自分の着ているスーツに触れられ、品定めをするように見られたのだ。
こんな不審者でも見るような目になるのは当たり前。
いや、この方から見れば不審者以外の何者でもない。
「もっ、申し訳ありません! マネキンのそばにいられたので、間違えてしまって、あのっ……あ、I'm sorry――」
「……国は同じだ」
日本人か定かではないと思い、英語で謝罪しようとした私に彼が初めて発した声は、その容姿にしっくりくる落ち着いた低く通る声だった。