極甘ウエディング~ようこそ俺の花嫁さん~


「あ……そっ、そうでしたか! 重ねて申し訳ありません」


頭を下げて謝っていると、後方から「社長」と女性の落ち着いた声が聞こえてくる。

慌てて振り返ると、ベージュカラーのスーツを着込んだ女性が一人、近付いてきていた。

タイトスカートから伸びる脚がスラリと綺麗な、スタイルのいい女性。

胸辺りまでのストレートヘアで、キリッとした一重瞼が印象的ないかにも仕事ができそうな人だ。

即座に道を開けるようにその場を退く。


でも今、社長って……。


どうやら私が大失態を犯した相手は、どこかの企業のお偉いさんだったらしい。

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