極甘ウエディング~ようこそ俺の花嫁さん~
呆然とやってきた女性を見つめていると、更にその向こうから「柏様、お待たせいたしました!」と店舗スタッフが駆けてきた。
やってきたスタッフに「あっ、はい!」と返事をし、背後に振り返る。
そうだ、私はこんなところで油を売っている場合じゃない!
再び私に顔を向けられた彼は、さっきまでの警戒するような顔ではなく、真顔で私のことを見下ろしていた。
「本当に、失礼を……お許しください。では、私はこれで」
改めて深々と頭を下げ、となりに控える女性にもぺこりと頭を下げる。
謝罪はしつつ、逃げるようにして声を掛けてきたスタッフの元へと付いて行った。