極甘ウエディング~ようこそ俺の花嫁さん~


「のどか……」


慶太さんの呟くような声に、お義母様の視線も私へと向けられる。

心の準備も完了しないまま一気に二人に会ってしまい、もう頭が一瞬で真っ白になってしまった。

どうしようもなく、すかさず頭を下げる。


「すみません、私……」


ここまで来てしまったことをどう説明したらいいのかと使い物にならない頭で考え始めた時、いつの間にかすぐ目の前まで来ていた慶太さんに正面から抱き寄せられていた。


「なんでこんなところに」


頭上から聞こえてきた声は、戸惑っているような、私を心配するような、どこか切なそうな声だった。

回された腕が、私の存在を確かめるみたいにきつく強まっていく。


「ごめんなさい……勝手に、来たりして」

「のどかが謝ることは何もない」


そう言った慶太さんは優しい手つきで私の頭を撫でると、腕を解いて背後のお義母様へと振り返った。


「誰になんと反対されようと、私は彼女を、柏のどかさんを、幸せにすると決めています」

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