極甘ウエディング~ようこそ俺の花嫁さん~


胸を撃ち抜かれてしまったような衝撃が走った。

今の今まで、うだうだと負のループに囚われていた。

ずっと想いを伝え続けてくれた慶太さんを信じ抜くこともできず、一人で不安になってばかりいた。

慶太さんは何も変わっていない。

出会ったばかりの頃、結婚してほしいと言ってくれたあの時から、何も……。


「あなたのお父様も……同じことを言ってくれたわ」


お義母様から返ってきた思わぬ言葉に、その場の張り詰めていた空気がふっと緩んだ感じがした。

目にしたお義母様は、私たちをじっと見据えながら微かに目尻を下げていた。


「忘れてしまうものね……私も、のどかさんと同じような立場だったのに」

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