極甘ウエディング~ようこそ俺の花嫁さん~
何かを思い返すようなお義母様の言葉は、ずっしりと重く深く私の心に響いていた。
慶太さんの産みのお母様が亡くなられて、その後お父様と再婚されたお義母様。
私以上に、園咲の家に入ることに苦労があったはずだ。
「――はい、どうしたの?……えっ、ちょっと、どういうことなのよ」
お義母様のスマホが鳴り始め、それに応対しだした声が次第に動揺に震えていく。
「悠太、ちょっと待ちなさい! 文香さんと一緒だというの? ちゃんとわかるように説明をして」
悠太、さん……?
文香さんって、確かあの時紹介された、クレア・ルミナスのご令嬢の……。
一方的に通話を終わらされた様子のお義母様は、腰が抜けたようにへなへなとその場に崩れ落ちていってしまう。
私は咄嗟に駆け出し、お義母様の腕を掴んでいた。
「大丈夫ですか?!」
「……慶太さんのこともだけど、悠太のことすらわかっていなかったみたいね……母親失格だわ」