極甘ウエディング~ようこそ俺の花嫁さん~
会社に大きく貢献できるようなものは私にはない。
だけど、帰ったらホッとできる家をつくること。
笑い声の絶えない明るい家庭をつくること。
温かい、いつでも帰りたいと思える場所をつくることはきっとできる。
慶太さんが好きで、大事で、愛する気持ちがある限り……。
お義母様は初めて、私に笑い掛けてくれた。
その目には涙を浮かべて、「慶太さんを、幸せにしてね」と声を震わせた。
少しずつでもいい。
小さなことを積み重ねて、認めていってもらえたらと思う。
嫁に来てくれて良かったと、いつか思ってもらえるように。
「不束者ですが、よろしくお願いいたします」
頭を下げた私の手を取り、お義母様はぎゅっと握り締めてくれた。