極甘ウエディング~ようこそ俺の花嫁さん~


桃ちゃんとあれこれ言い合っていると、そばでそれを見守っていた慶太さんが、話の区切りを見計らって声を掛けてきた。


「あ、はい! では、お時間まいりましたらお迎えに上がります」


ぺこりと頭を下げ、桃ちゃんは「失礼いたします」と部屋を出ていく。

大きな姿見に映るウエディングドレスの自分を目にすると、その背後に慶太さんが映り込んだ。

鏡越しに目が合うと、背後から腕を回して抱き締められる。


「やっと二人きりになれた」


耳のすぐそばでした甘く囁くような声に、ドキンと心臓が跳ね上がった。


シャンパンベージュのロングタキシードを着た今日の慶太さんは、いつにも増して素敵でかっこ良く、視界に姿が入るたびにドキドキさせられている。

今まで仕事柄、日々多くの新郎を見てきたけれど、慶太さんの上をいく人は見たことがない。

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