極甘ウエディング~ようこそ俺の花嫁さん~


重厚な扉を開き、「どうぞ」と中へと招かれる。

ドアを閉めた慶太さんは、私の背と膝裏に手を添え、いきなりグイッと身体を持ち上げた。


「ぅわぁ!」


視界がいきなり大きく揺れ、驚いて変な声を上げてしまう。


「慶太さんっ」


すぐ目の前に迫った慶太さんと、視線の高さがぐんと近付く。

突然、何事かと思えば、慶太さんは私を横抱きにしたのだ。

いわゆる“お姫様抱っこ”ってやつ。

ドッドッと心臓が激しく飛び出しそうな音を立てる。


「一度こうやって抱き上げてみたかったんだ」

「へっ?!」


満足気に微笑む慶太さんを目の前に緊張を高めながらも、今まで女の子にしたことないの?なんて思ってしまう。

それを聞いてみる余裕もないまま、広く豪華なスイートルームに連れていかれていた。

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