極甘ウエディング~ようこそ俺の花嫁さん~
「す、すごい……」
これがホテルの一室なの?と驚愕するリビングが広がる。
緩やかに弧を描く大きな窓からは、日が落ち始めた街が見下ろせるようだ。
部屋の中を見て回りたいと思ったけれど、慶太さんに私を下ろす気配はなく、リビングをスルーして奥へと突き進む。
背中から丁寧に下ろされたのはキングサイズのベッドの上だった。
間接照明の明かりが灯る雰囲気があるベッドルーム。
激しく打ち付けだす鼓動を抑えるように、両手を胸に押し当てていた。
「本当に綺麗だ……」
タキシードのジャケットを脱いだ慶太さんは、横になった私をまじまじと見つめながらベッドへと脚を上げる。
私の耳のすぐ横に片手をつくと、微笑を浮かべて唇を寄せた。