極甘ウエディング~ようこそ俺の花嫁さん~
「あっ……」
「どうかした?」
ベッドを出て、ミネラルウォーターのペットボトルを手に戻ってきた慶太さんは、それを差し出しながら小首を傾げる。
不思議そうな慶太さんの顔を見つめながら、頭の中ではある人の顔が浮かんでいた。
「実は、この間……神原さんに送っていただいた日があって……」
そこまで言うと、慶太さんは知っていたように「ああ、みたいだね」と言う。
なんだ、知ってるのか!
「はい。その時に、ランジェリーショップに――」
そこまで言った時、となりの慶太さんが勢いよくペットボトルを口から離す。
吹き出しそうになったらしく、慌てた様子だ。
「ちょっと待った、そこは聞いてない」
「えっ? そうなんですか?」
どうやら、送り届けたことは話しているものの、買い物をしたことはまだ言ってなかったらしい。
その流れから、神原さんがあれこれ心配をして配慮してくれた、事のあらましをさらっと話すことになった。