極甘ウエディング~ようこそ俺の花嫁さん~


私しかいない広い会場へと、澄子叔母さんが入ってくる。

今日はレモン色のスーツを着ている、澄子叔母さん。

挙式がない日もお客様との打ち合わせがある私たちは毎日スーツを着ているけど、ここの代表である澄子叔母さんはいつも目に鮮やかなカラーのスーツを着ていて華やかだ。


「ちょっと、手、空くかしら?」

「うん、大丈夫だよ。メールのチェック中だったから」


今朝から、澄子叔母さんの様子がどこかおかしい気がしていた。

正確に言うと、昨日の夕方出かけ、帰宅してからだ。

話しかけてもワンテンポ遅れた反応をしてみたり、今朝は朝食を食べながらずっとぼんやりとしていた。

疲れているのかもと思いながらそっとしておいたけど、やっぱりそれだけじゃない気がする。

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