極甘ウエディング~ようこそ俺の花嫁さん~
「はい、どうしたの? ……今? のどかと会場にいるわよ。ええ……え? 今、いらしてるの?」
澄子叔母さんが電話で話す声を耳にしながらも気持ちが急く。
早く話の続きをしなくてはいけないと焦燥感に襲われ、こんなタイミングで電話をしてきた相手を恨めしくも思ってしまう。
内容が入ってこないながらも聞こえてくる澄子叔母さんの会話の節々で、事務所に控えるスタッフが澄子叔母さんを探してかけてきたものだと知り得た。
「……わかったわ。こちらにお通ししてちょうだい」
どうやら来客の知らせのようだ。
このまま話が中断されてしまうと焦り、通話を終わらせた澄子叔母さんを前に椅子から立ち上がっていた。
「何か、困っていることがあるの? 経営が思わしくないとか。ねぇ、叔母さん!」