極甘ウエディング~ようこそ俺の花嫁さん~
「本当は、食事でもご一緒にと思っていたのですが」
「いえ、そんな」
開放された広い入り口から、中へと入っていく広い背中に続いていく。
陽の光を取り込むバンケット内はやはり白を基調としていて明るく、高い天井には上質なシャンデリアが煌めく。
「そうやってやんわりお断りされると思ったので、今日はこちらでご一緒していただけますか?」
「え……?」
そう言った園咲さんが向かった窓際の席には、一席だけ食事の用意がされていた。
真っ白なクロスが敷かれた円卓のゲストテーブル。
会場内にいくつもあるその中で、窓際のその席にだけ中央にテーブル装花がされ、ゴールドのカトラリーが並ぶ。
これからゲストが席につくような用意がされたその前までいくと、園咲さんは椅子を引いて私に「どうぞ」と振り返った。
まさかこんなおもてなしをされてしまうと思っていなかった私は、「え、え」と園咲さんの視線に途端に動揺する。
椅子を引いたままふわりと微笑を浮かべられ、観念して席へと腰を下ろした。