極甘ウエディング~ようこそ俺の花嫁さん~
夕方、四時過ぎ。
家に帰ると、私が玄関を入ってきた音を聞きつけた澄子叔母さんがリビングから飛び出してきた。
心配と不安をその顔に浮かべる澄子叔母さんに、「ただいま」といつも通りの声を掛ける。
「どう、だった……?」
「うん……話してきたよ」
「のどか……」
今日、出掛ける前、澄子叔母さんは最後の最後まで私を引き止めようとしていた。
のどかが無理をしなくていい。
私が何とかするから。
そう言って、私が園咲さんと会って話すというのを考え直させそうとしていた。
二人でリビングへと入り、いつも食事をするダイニングテーブルへとつく。
じっと窺うように正面の私を見つめる澄子叔母さんに、とりあえず安心してもらおうと笑みを浮かべてみせた。
「買収の話……取り止めにしてもらえることになったよ」