極甘ウエディング~ようこそ俺の花嫁さん~
「それにね、あちらの会社に協力はしていくけど、叔母さんのところで今まで通りプランナーの仕事も続けていいと言ってもらえたの。担当しているお客様もたくさんいるだろうし、式を見届けたいだろうからって」
園咲さんは、想像を遥かに上回って私の願いを叶えてくれる人だった。
私の望みは叶えると宣言していたけれど、本当にその通り、私の要望は全て受け入れてくれた。
それも、私が口にするよりも先回りして、私の気持ちを察するように今後のことを提案してくれた。
結婚をするという形になっても、プランナーの仕事を続けられるということは、私にとっての生きがいを奪われずに済んだことだった。
「そうだったの……。でも、のどか……本当に、それでいいの?」
廃業に追い込まれず済んだというのに、澄子叔母さんの顔に喜ぶ色はない。
私のことばかりを気にして、嬉しい気持ちにはなれないでいるのだろう。
「叔母さん、私は、大丈夫だから。これからもここでの仕事、私にも手伝わせてね」
笑顔を見せてそう言ってみても、澄子叔母さんがその場で笑ってくれることなかった。
だから私は努めて笑顔を保ち、いつもの澄子叔母さんに戻ってもらおうと普段よりも明るく振る舞っていた。