極甘ウエディング~ようこそ俺の花嫁さん~
部屋のドアから声が聞こえて振り返ると、そこには中を覗くようにして澄子叔母さんが立っていた。
「起きてたの。ノックしたんだけど、声がしなかったから」
「あ、ごめんね。気付かなかった」
「ブログ、書いてたの?」
ドアを後ろ手で閉め、間接照明のみが灯る薄暗い部屋へと澄子叔母さんは入ってくる。
私が掛けるデスクの横までくると、画面の中を覗き込んだ。
「今日の式も、いい式だったわね」
「うん……幸せおすそ分けしてもらえた」
「そうね……のどか、いつもありがとうね」
澄子叔母さんはにっこりと微笑み、見上げた私の頭を撫でてくれる。
子どもの頃から変わらない優しい眼差しに、ほんわかと心温まる。
「それは私のセリフでしょ? 澄子叔母さんが、私にこの仕事の喜びを教えてくれたんだから」