極甘ウエディング~ようこそ俺の花嫁さん~


「そうか……」


報告を受けたお父様は静かにそれだけを言うと、再び私の顔をじっと見つめる。

その視線は見定めるようなものではなく、どこかホッとしたような、穏やかな色を浮かべていた。

そして、何故だかぐっと唇を結び、堪えるようにして一度目を伏せた。

その様子が、涙を呑んでいるように私の目に映り、一瞬にして胸に困惑が広がる。


「のどかさん……息子は、親の私が言うのもなんですが、できた男です。どうか、よろしくお願いします」

「いえっ、こちらこそ、不束者ですが、どうぞよろしくお願いいたします」


返事を返しながら、それまで霞んでいたような自分の未来がクリアに見えた気がしていた。

彼と結婚するということが本格的に動き出している。

そのことを改めて思い知らされた。


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