極甘ウエディング~ようこそ俺の花嫁さん~
「あまり病院に行くことを好まない性分で。お腹の調子が悪いところから始まって、血便になるほど悪化しているのに、それをストレス性だと自己判断してたみたいで……周りからきつく言われて、やっと病院に行ったと思ったら手遅れギリギリってところだったみたいです」
仕方なさそうに口元に笑みを乗せ「参りますよ、本当に」と付け加えた。
「でも……確かに、怖いですよね、病院。自分で何かおかしいと気付いていたら尚更。調べて何か深刻な結果でも出たらって、不安になると思います」
自分の身体の不調に気付きながら、病院嫌いなお父様はきっと、大したことないと思い込み、見ないふりをしていたのだと思う。
どこかで不安を抱えながら、忙しい毎日に流されていたのだろう。
「のどかさんは、ダメですよ?」
「え?」
「身体に不調があったら、すぐに病院にかかってください。でないと、私が許しません」
「だっ、大丈夫です! 私は、病院が嫌いとかではないですから」
思わぬ心配をされてしまい、声を大に言い返す。
そんな私を園咲さんは上品に笑って、突然その大きな手の平を私の頭の上に載せてくる。
驚いてビクッと肩を震わせると、優しい手つきで触れた頭を撫でられた。