【完】今日から、お前は俺のモノ

どーして? Side 颯太

「……颯太!」


そう言って小走りで
こっちに向かってくるめい。





でも……




なんで?




……仕事じゃなかった?






なんで尚といんだよ……





どーして俺じゃなくて尚といんだよ……





「あ!尚に仕事手伝って貰っちゃったけど…バックボード終わったよ!!」








……なんで尚?




生徒会の仕事なら俺に頼れよ……





なんだ……やっぱ特別なのは俺だけで


めいにとって俺は



幼馴染つーだけで、特別でなくて
やっぱ頼られもしねーよーな



存在なんだよな……




分かってた、分かってたんたけど……
……そんな自分に嫌気がさす。



「あ、颯太じゃん!めいと知り合い?」

尚がそう言って優しく笑う。




尚は良い奴でかっこいいから……
こんな奴といたらめいでさえ惹かれるだろ?




だめだ。


やきもちが止まらねえ……







「めい、仕事じゃなかったワケ?」

「え?仕事……?」




この四人の空気が静まる ーーー。




「俺に仕事って言って
颯太には関係ないって……
そういう事……?」



「え?……違くて……颯太に内緒で……」

「内緒で……か」




「颯太……?」


「そ。はい。これ制服。」


「あ!ありがと颯太……帰ろう?」



めいは俺を見上げて笑う。





でも、今日はダメだ……


これ以上一緒にいると……
やきもちが止まんなくなりそーで……




「ごめん。俺今日雛と帰るわ」



「え?」



「え?雛とぉ?」

雛はキョトンとしている。


そう言って雛の腕を掴んで「帰ろう?」と
微笑むと雛は「うん!」と
嬉しそうに笑った。
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