【完】今日から、お前は俺のモノ
私は泣きながら颯太の寝ている
ベッドの傍に座って



颯太の手を両手でぎゅっと握って
誰よりも近く近く
顔も体も颯太に近づいて.....




全部、全部、颯太に包まれるように
優しくて暖かくて
颯太の温もりを感じたい.....






颯太..... 大好きだよ.....







「.....めい ...?」




..... 夢 ?


颯太は優しく微笑んで私を見つめる。



でも.....颯太は今ベッドで倒れて...




あぁ、私寝ちゃったんだ.....




夢.....か.....





夢ならっ.....夢でなら颯太に何も遠慮なんて
要らないよね.....



夢で予行練習でもしないと本番
私この気持ち絶対伝えられないよ.....



「颯太っ.......」



ギュッ...!




颯太を強く抱きしめて



「.........すき」



もっと...もっと
颯太に近づきたいっ...




夢なら...今でも近づける...っ




私は颯太にキスをした。




キスをした瞬間、颯太の体が少し震える。




それは現実の様に颯太が暖かくて。




「.....もう無理限界」

「...えっ?」



颯太は私を見つめて




私の体をベッドに押し倒して
その上に颯太がまたがって




強く、優しくもう一度キスをした。



「...っ...そ.....た...っ

.....す.....き...っ」



そのキスは
口の中に颯太のベロが入ってきて
息が苦しくて
でも颯太の近くに傍に一番近く
いたようで.....




夢... ならこんな事まで出来るのに



現実なんて何も出来ないよ.....



私っ.....




「.......ごめん
いきなりキスして」


「っ!!!元といえば私から
しちゃった...というかっ...」




颯太は私を優しくもう1回
抱きしめる。




その温もりに



...これは夢.......?



本当に夢.....?




私は目線の先の颯太の頬を優しく
触って...




本物の颯太だと感じる。




「...っ!颯太っ!.....っ夢じゃっ...!
夢じゃないっ...!!」



私はそう言って颯太に抱きついた。



「...っ夢なんかじゃねーよっ.....!
これが夢だったら許さねぇ...」


颯太はいきなりさっきよりも...
全然違う...強くキスをする。


それはもっと息が苦しくて
足に力が入って、でも
全部とろけるように...



「...めいの...全部.....俺が欲しい.....」


「...っ...そ.....たっ.....わた...し.....もっ.....
そうた...が欲しいっ.....!」



お互いがお互いを求めるように

強くキスをした。





キスが終わって...
颯太のベロと私のベロが唾液を引く。




「.......まじで理性が効かねぇ...」



颯太は私と目をそらして
顔を赤くする。




「あははっ...そうですねー...」

「でしょ?ほら!」



廊下から聞こえるこの声は




もっちーと優香先生だ。




ガラガラ.....ッ!!




..... !!




まずい!!



「2人とも〜そろそろ体調大丈夫か?」






シャッ.......




2人がベッドにかかるカーテンを開ける.....




「.....おー起きてたか!
2人共元気になったか〜!!」



私は2人の声が聞こえて
すぐに隣のベッドに移った。



「...あっはい!お陰様で...!」

「あーもっちーかよ.....」



「あ〜??俺で悪かったな!!」


「はいはい望月先生どいて〜」

「はっ、はい!!」


「.....なによ...はいって...」


優香先生はもっちーに呆れながら、
湿布と包帯を持って




「ほらめいちゃん右足見せて」




「.....え?」


私は颯太のことでいっぱいで
全然自分の怪我のこと忘れていた。



「めい怪我したのか!どこっ!」



颯太は起き上がって私のベットの方に
駆けつける。


「あーもうこっちも病人なのにねえ

ほんとに〜めいちゃんのことになると

自分のことなんて

ほったらかしなんだから〜」


「あーもうっるせーな!」


颯太は顔を赤くしながら
私の右足に湿布を貼る。




「2人でゆっくりしてていいわよっ」

優香先生はそう私の耳にコソッと耳打ちして

保健室を出ていった。



「痛くねぇか?」

私の右足に包帯を巻いてくれる
颯太は心配そうに聞く


「うん、大丈夫... ごめん...ありがとう」

「どーいたしまして」


そう言いながら颯太は
湿布のゴミを手に持って
立ち上がって片付けている。




...私ちゃんと颯太と話したい。




誤解解かなきゃっ.....




「ねぇ、颯太」「なぁ、めい」



「.....どっちから言う?」



...颯太の言葉聞きたいっ!


けど、私から誤解解かなきゃっ...


今のままじゃだめだ


「わっ、私からっ!」


「お、おう」



「そ、颯太。あのねっ、

今日の朝のメールとか.....

尚との事あれは...全部嘘だからっ...


信じてもらえないかもしれないけど...

ホントになんにもないのっ...!」




颯太は少し黙ってから




「信じねーわけねーだろ...!

好きな奴の言うこと...

信じねーわけないに決まってんだろ!」



颯太.....




「私っ!本当はねっ!

あの時.....颯太から想い伝えられた時、

雛ちゃんと颯太付き合ってると

思ってて...っそれであのーっ...」


「は、はぁ!?!そんな事あるかよ.....

だからあんなこと.....あーー...

めいなら有り得るつーかなんつーか.....」



颯太は少し呆れ顔をして



「それで...颯太に酷いこと言っちゃって

いっぱいいっぱい傷つけた...ごめん...っ!」



「...いや...俺も同じだから...」



「...え?」


「俺さ...めいと尚、最近仲良いから

付き合ってるのかなーって...思ってた矢先に今日のメールがあって...


俺...今日だって尚がめいの手引っ張るの見た時だって...

つい目逸らして見ないようにって...でも!


俺が止めるべきだったって
ずっと後悔してて...」



だから...目逸らして...っ...



「私が尚と2人で出かけたのも...
実は...ね...?


颯太にどうしたら...好き...って伝わるか

ずっと悩んでて...
相談してたっていうか.....

指切りげんまんもあのー...

今日想い伝えるっていう...約束で...

ハチマキとかそういうのじゃない...よ...?」




...だからハチマキ交換したいな...
なんて言えないよっ!!







「.....じゃあ」



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