僕は桜に恋をした。

「うん好きだよ。」

意外とすんなり認めた。

本当なんだ。

女の勘ってすげーな。


「いつから？」

「小学生の時からずっと。」


そんな前から…。


「もしかして、初恋？」

「まあそうかな。」


でも良く考えると女子とよく喋ったり告白されたりしてるけど付き合ってるとは聞いたことないな…。


「告白はしないの？」

「うん。どーせ無理だし。」

「まだわかんないじゃん。」

「あいつには俺よりもっと優しくて頼りになる男の方がいいんだよ。」




これか。


宮川が言ってたやつ。


今の大和の目。




…僕にはない。




「…好きなるってどんな感じ？」


「うーん…小さい頃は一緒にいて楽しいって感じだったんだけどある日、なんか知らないけど守りたいって思った。」


「守りたい？」



「守りたいってゆーか、幸せにしたいってゆーか。そうやって思った日は一日中美華のことが頭から離れなくなった。」




守りたいか…。




「だから俺は告白しない。」


「なんで？」


「美華を守れる自信がないから。美華には幸せになってほしい。俺なんかじゃ無理だから。なので俺は告白しません！」


「…そっか。」