僕は桜に恋をした。

「ねぇ、たこ焼きは？」

「はいはい、わかってますよー。」

「じゃあ大和君と美華で買って来てよ、うちら場所取りしてるから。」

「え？俺が奢るの？」

「当然だろ？他に誰がいんだよ。」

「あー今日はめっちゃ疲れたなー。誰かさんのせいでー。」

「わかったよ！ほら行くぞ！」

「行こーう！」

「いってらっしゃーい。」


あんなに楽しそうなのに。


大和は本当にいいのかな。


木村はどう思ってんだろ。


「宮川。木村は大和のことどう思ってんの？」


「本当は好き。」


「本当は？」


「うん。自分では好きじゃないって思ってるけどそう自分に言い聞かせてるだけ。だから本当は好き。」


本当は好きだけど好きじゃない…。



「なんでそう思わなくちゃいけないの？」



「自分にはもったないんだって。大和のことが好きな子はいっぱいいるのに自分には釣り合わないって。」







…なんだそれ。



二人しておんなじようなこと言って。







それが恋ってもんなの？